ChatGPTと人工知能画像生成器Dall-Eの開発に尽力してきたOpenAIの最高技術責任者ミラ・ムラティ氏が水曜日、同社を退社すると発表した。

「オープンAIチームで過ごした6年半は、私にとって特別な栄誉でした」とムラティ氏は、Xに投稿したオープンAIチームへのメモの中で述べた。「大切な場所から離れるのに理想的な時期などありませんが、今がまさにそのタイミングだと感じています。」

ムラティ氏は、最近OpenAIを去った一連の幹部の一人だ。この経営陣の交代は、ChatGPTの開発元である同社が、投資家からの資金調達や収益創出を容易にするなど、物議を醸す成長への道を切り開こうとしている中で行われた。

非営利の研究機関として設立され、営利部門を設立した同社は、投資家への利益増大につながる再編を検討している。ブルームバーグなどの報道によると、OpenAIは新たな資金調達ラウンドを協議中で、その企業価値は1500億ドルに達する可能性があるという。

ムラティ氏の退社は、OpenAIの主任科学者で共同創設者のイリヤ・スツケバー氏が5月に同社を退社し、より安全なAIを専門とする新会社を設立した後に行われた。同じくOpenAIの共同創設者のジョン・シュルマン氏も8月に退社し、ライバルのアンスロピックに加わった。また、OpenAIの社長で共同創設者のグレッグ・ブロックマン氏も現在長期休暇中である。

ムラティ氏は、拡張現実（AR）企業Ultraleap（当時はLeap Motion）とテスラで働いた後、2018年にOpenAIのリーダーシップチームに加わった。2022年にChatGPTが一般公開されると、ムラティ氏はOpenAIを率いてシリコンバレーやその先で注目を集め、テクノロジーの世界でAIの軍拡競争を引き起こすのに貢献した。

昨年11月、彼女はOpenAIの混乱した経営陣交代時に暫定CEOに短期間昇格した。この交代でサム・アルトマン氏は追放されたが、すぐにその役職に復帰した。この大失態の間、ムラティ氏は500人以上のOpenAI従業員とともに、アルトマン氏を会社に戻さなければ辞職すると脅した。

最近では、ムラティ氏は同社の技術の大きな進歩を監督した。その中には、ChatGPTに人間のような会話をもたらしたAIモデルであるGPT-4oの5月のリリースや、同社によればより難しい科学や数学の問題を「推論」して解決できるAIモデルであるOpenAI o1の今月のプレビューなどがある。

「当社が最近リリースした音声合成とOpenAI o1は、インタラクションとインテリジェンスの新時代の幕開けを告げるものです。私たちは単によりスマートなモデルを構築しただけでなく、AIシステムが複雑な問題を学習し推論する方法を根本的に変えました」とムラティ氏は退職を発表するメモの中で述べた。

ムラティ氏は、OpenAIを離れるのは「自分自身の探求を行うための時間と空間を作るため」だが、リーダーシップの移行には協力するつもりだと述べた。

OpenAIは、彼女の正式な退任のスケジュールや、新しいCTOがいつ発表されるかという質問にすぐには回答しなかった。

OpenAIのCEOサム・アルトマン氏はムラティ氏のX投稿に自身の投稿で反応し、「MiraがOpenAI、私たちの使命、そして私たち全員にとってどれほど大きな意味を持っているかは、言葉では言い表せないほどだ」と述べた。

「彼女が我々の築き上げ、達成に尽力してくれたことに多大な感謝の念を抱いているが、何よりも困難な時期に彼女が示してくれたサポートと愛情に個人的に感謝している。彼女が次に何をしてくれるのか楽しみだ」とアルトマン氏は述べ、同社が近いうちに経営陣の交代計画について詳細を発表すると付け加えた。